警察官と検察官の違い

一生のうち、弁護士や裁判官、あるいは検察官に一度でも関わったことがあるという人は決して多くないでしょう。他方で、日常生活の中で、警察に一度も関わったことがないという人もあまりいないはずです。特に何か犯罪を起こして御用になったという場合以外でも、街中で道を聞いたり、落とし物を届けたりなど、警察官という存在は私たちの身近に溶け込んだ存在となっています。
それでは、このような警察官と検察官とはどこが同じでどこが違うのでしょうか?

1、職務の違い

警察官も検察官も、刑事事件を発見し、捜査し、そして解決を目指すことを職務としている点で共通します。
両者の違いを大まかに言えば、それぞれの職務は、このような刑事事件の解決の過程を分担するものとなっています。
検察官は専ら、警察から送致を受けた事件について、自らあるいは警察を指揮して捜査を行い証拠を集めた上で、裁判所に訴えを起こし(起訴あるいは公訴提起といいます。)、法廷で罪となるべき事実を証明することを職務とします。
他方で、警察官は公訴の提起や裁判所での証明活動などは行いませんが、その組織力と経験を生かして、検察官が公訴提起をするかどうかを決めることができるだけの証拠集め(これが捜査と呼ばれるものです。)を行うことを職務としています。小説やドラマで、警察官が様々な推理を行って犯人を探し出す課程がよく描かれていますが、このような現場に出ての典型的な捜査は主に警察官の職務です。検察官が現場に出るようなことは殆どありません。
もちろん、警察官も検察官も様々な部門・役職があるので、上記の職務内容は、あくまで法律上の一例に留まります。しかし、大まかなイメージとしては、上記のような違いが分かれば十分でしょう。

2、組織の違い

細かい違いを挙げればキリがありませんので、あと1点だけ検察官と警察官の違いを挙げます。

検察官は、法務省の特別の機関である検察庁の職員(国家公務員)に当たります。他方で、警察官は、警察庁の職員を除き、各都道府県毎に設置された都道府県警察の職員(地方公務員)となります。そのため、受験する試験や異動の範囲、雇用体系などにも様々な違いがあります。

3、検察官でも警察官でもない職員

警察官と検察官の他にも、特別の司法警察職員として、逮捕状を請求し、被疑者を逮捕する(刑事訴訟法199条)ことができる人たちがいます。
このような人たちを「特別司法警察職員」と呼びますが、全部で13種類あります。主だったところでは、麻薬取締官(いわゆる、マトリと呼ばれる職種です)、海上保安官、刑務官などの刑事施設職員、労働基準監督官などが挙げられます。珍しいところでは、皇居の警護などを行う皇宮護衛官も特別司法警察職員に含まれます。
もっとも、このような特別司法警察職員の人数は警察に比べても非常に少なく、その役割も限定されているので、送検できる事件の数は限られてきます。検察官に事件を送致する数で比較すると、1年当たりの総数40万2265人中、特別司法警察職員により送検された人数はそのわずか2%弱の7903人に留まります(2014年度。法務省発表)。

このとおり、刑事事件として処理されている事件のうち、そのほとんどは、一般司法警察職員である警察官が捜査して証拠を集め、検察官に送致して事件の解決を図っているのです。社会の安全を守るという、当たり前のことではありますが、非常に重要な職責を、警察官も検察官も担っているわけです。

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